『ダークヒーローの死』
幼い頃から金銭的、劣等感を感じていた住田君。 クズの両親から劣性遺伝子を受継いだ自らの境遇を悲観していた住田君。 そんな彼が外界から傷付けられないように、独特(?)な処世術「普通の大人になる」という存在意義の確立を図ろうしました。 生きる意味を求める事は無駄だと言うような奴は暇な人間で、死ねばいいと言っているように彼は実は特別な人間になりたい人です。 父親を殺した時、普通の人間への道が絶たれたと思った彼は己の価値観に沿い特別な人間になり、その美意識から自らの命を絶つという道を選びます。 しかし、悪い奴を殺す為、街を徘徊し疲労がたまる中で、自分が自分の価値観も貫けない図々しい奴になっていくのを知り存在意義が崩れていきます。 存在意義を徹底的に壊したのは、高校生との小競り合いで相手を刺してしまった事で自分で自分をコントロール出来なくなっているのに気付いた時です。 絶望、自分に対する不信、恐怖。 その後ヤクザや茶沢さんから、それでも大人になる未来の希望を示されますが彼は自殺を選びます。 それは最後の最後まで自分を赦せないほど狂気をはらんだ価値観に魂までガッチリ掴まれていた事。そして劣性遺伝子を受継いだクズの子である自分を信じられなかったし又、その確信を拭えないほどに疲れ切っていたからなのです。住田君の魂に冥福を。と僕なりに分析してみたのねん。